年金暮らしで金を売却した時の確定申告|申告不要になる条件と住民税

年金暮らしで金を売却した時の確定申告を説明する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、国税庁・財務省・警察庁・消費者庁など公的機関の公開情報、e-Govの法令、田中貴金属工業の公表価格、各買取店・地金商の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。税金の個別の判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。金価格・買取価格は記事執筆日時点の参考値で、日々変わります。

年金生活の中で手元の金を売ろうと考えた時、『年金だけなら申告していなかったのに、金を売却したら確定申告が要るの?』と迷いますよね。

金を売りたい人

年金暮らしの母が、昔買った金を売りたいと言っています。ふだんは確定申告をしていないのですが、金を売ったら申告が必要になりますか?

案内役

年金の人には、条件を満たせば確定申告をしなくてよい制度があります。金を売った分の「所得」がいくらになるかで、申告が要るかが分かれますよ。

結論から言うと、年金の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です。金の売却で見るのは、売った金額ではなく特別控除50万円を引いた後の所得です。

この記事では、年金暮らしの人が金を売った時に、確定申告が要るかどうかの見分け方と、住民税で気をつけることが分かります。

目次

年金暮らしで金を売っても、確定申告が要らないことがある

先に結論

国税庁 No.1600 では、公的年金等の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下なら「確定申告の必要はありません」とされています。これを公的年金等の確定申告不要制度といいます。

この記事は、2026年10月時点の国税庁の公開情報をもとにまとめています。

申告不要になるのは、次の3つを全部満たす場合です(国税庁 No.2020・No.1600)。

条件中身
年金の収入その年の公的年金等の収入金額が400万円以下
源泉徴収その公的年金等の全部が源泉徴収の対象になっている
ほかの所得公的年金等の雑所得以外の所得金額が20万円以下

金を売った利益は、原則として譲渡所得です(国税庁 No.3161)。この「ほかの所得」に入るので、金の所得が20万円以下かどうかがポイントになるんです。

20万円は「売った金額」ではなく「所得」で見る

特別控除50万円を引いた後で判定

金の譲渡所得は「売った金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除50万円」で出します(国税庁 No.3161)。20万円と比べるのは、この計算の後の金額です。

『100万円以上で売れたら、もう20万円を超えてしまうのでは』と思う方も多いはずです。実は、買った値段と50万円を引くので、所得はぐっと小さくなることがあります。

例えば、取得費100万円の金を5年以内に売った場合で見てみます。譲渡費用は0円、その年にほかの総合課税の譲渡益は無い前提です。

売却額譲渡益特別控除後の所得20万円以下か
140万円40万円0円(40万円までしか引けない)以下
165万円65万円15万円以下
175万円75万円25万円超える
年金暮らしの人が金を売った時の確定申告の判定の流れの図解

5年を超えて持っていた金は、特別控除の後に2分の1にします。ただ、20万円の判定を2分の1にする前と後のどちらで見るかを書いた国税庁の原文は、この記事では確認できていません。

所得が20万円に近い時は、自己判断せず所轄の税務署に確認しておきましょう。申告が要らない場面の全体は金を売っても確定申告が不要なケースでもまとめています。

20万円を超えたら、申告不要制度は使えない

原則の考え方に戻って判断します

年金以外の所得が20万円を超えると、申告不要制度は使えません。その場合は、所得の合計が所得控除の合計を超えて税額が出るかで、確定申告が必要かを考えます(国税庁 No.2020)。

年金の所得と金の所得を合わせた金額から、基礎控除などの所得控除を引いて税額が出るなら、確定申告が必要です。令和8年分の基礎控除は、合計所得金額489万円以下なら104万円です(国税庁 No.1199)。

金を売りたい人

年金以外の所得が20万円を超えたら、税金をたくさん払うことになるんですか?

案内役

超えたからといって、すぐ大きな税金になるわけではないんです。年金と金の所得を合わせて、控除を引いた後に税額が出るかで決まりますよ。

申告する時は、金を売った分を「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表)【総合譲渡用】」で計算し、年金と合わせて確定申告書に書きます。申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日です(国税庁 No.2020)。

年金暮らしの人が金を売る時の流れ
  1. 購入時の書類を探し、取得費と買った時期を確かめる
  2. 査定を受けて、いくらで売れそうか知る
  3. 売った時は買取明細を受け取り、保管する
  4. 特別控除50万円を引いた所得が20万円以下か計算する
  5. 20万円を超えたら、確定申告が要るか確かめる
  6. 20万円以下でも、住民税の申告が要るか市区町村に確認する

先にいくらで売れるかが分かると、申告が要るかを前もって計算できます。まずは査定で金額を確かめ、買取明細を受け取るところから始めてみてください。

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売る前に、金の査定額を確かめる

税金の計算は、いくらで売れるかが分からないと始まりません。インゴット・金貨・アクセサリーは1点から無料で査定を受けられます。金額を聞いてから、売るかどうか・いつ売るかを決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取価格は日々変わります。最新の価格・条件・必要書類は公式サイトで確認してください。

確定申告の全体の流れは金売却の確定申告で詳しく見られます。

住民税と保険料は別に確認する

所得税の申告が不要でも住民税は別

国税庁 No.1600 には「公的年金等以外の所得金額が20万円以下で確定申告の必要がない場合であっても、住民税の申告が必要な場合があります」と書かれています。

所得税の申告をしなかった時は、お住まいの市区町村に住民税の申告が要るかを確認してみてください。住民税の考え方は金の売却益と住民税でまとめています。

もうひとつ気にしておきたいのが、保険料です。金を売った翌年度の保険料の計算には、売った年の所得が使われます。

保険料自治体の説明
国民健康保険料所得割の「総所得金額等」に総合譲渡所得が入る(新宿区・江戸川区)
後期高齢者医療保険料所得割の計算に「前年中のすべての所得を合計した金額」を使う(名古屋市)
金を売った年の所得と保険料の関係の図解

いくら上がるかは、お住まいの地域や年度で違います。具体的な金額は市区町村の窓口で確かめてみてください。詳しくは金を売ると国民健康保険料は上がる?で見られます。

子どもの扶養に入っている親が売る時

子どもが親を扶養控除の対象にしている場合は、親の合計所得金額が62万円以下であることが条件です(令和8年分・国税庁 No.1180)。金を売った年は、子どもの税金にも関わることがあるので、家族で共有しておきましょう。

年金生活者の金の売却でよくある相談

よくある相談の答え方

Yahoo!知恵袋には、年金生活の人が金を売る時の確定申告について多くの相談があります。3つを要約して答えます。

相談1:短期の金を売って、所得が30万円になる

「年金生活の高齢者が、短期保有の金地金を売った。利益が80万円で、特別控除50万円を引くと所得は30万円。申告は要るか」という相談です。

所得が30万円で20万円を超えるので、申告不要制度は使えません。年金の所得と合わせて控除を引き、税額が出るなら確定申告をする形になります。

相談2:ふだん申告しない母が申告することになった

「年金だけで確定申告をしたことがない母が、金地金を売ったため申告することになった」という相談です。

書き方は、会社員が金を売った時と同じ流れです。内訳書で金の所得を出し、年金の所得と並べて申告書に書きます。

初めての時は、税務署の申告相談を使うのも一つの方法です。窓口では「年金のほかに、金地金を売った分があります」と伝えると話が早く進みます。

相談3:18金のネックレスを140万円で売った

「65歳で年金生活の一人暮らし。18金のネックレスを140万円で買取店に売った。税金はどうなるか」という相談です。

貴金属の製品でも、1個または1組の価額が30万円を超える物は、生活用動産の非課税から外れます(国税庁 No.3105)。140万円のネックレスなら、利益が出れば譲渡所得として計算します。

住民税の扱いが変わるかどうかは、お住まいの市区町村で確かめてみてください。金の売却の税金の全体像は、金を売った時の税金ガイドにまとめています。

よくある質問

年金暮らしで金を売却したら確定申告は必要ですか?

年金の収入が400万円以下で、金の所得など年金以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です(国税庁 No.1600)。20万円は特別控除50万円を引いた後の所得で見ます。

20万円以下なら何も手続きはいりませんか?

所得税の申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。お住まいの市区町村に確認してみてください。

金を売ると後期高齢者医療保険料は上がりますか?

所得割は前年の所得をもとに計算するので、金の所得で変わることがあります。金額は地域で違うので、市区町村で確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • 年金400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要
  • 金の所得は「売却額−取得費−特別控除50万円」で出し、売った金額で判定しない
  • 20万円を超えたら申告不要制度は使えず、税額が出るなら確定申告をする
  • 所得税の申告が不要でも、住民税の申告は市区町村に確認する
  • 国民健康保険料・後期高齢者医療保険料に関わることもある
金売却の税金.jp

金売却の税金.jp 編集部

金や貴金属を売った時の税金(譲渡所得の計算・確定申告・支払調書・相続やもらった金の扱い)を、国税庁の公開情報をもとに整理し、税金のことで迷わず売却まで進めるための情報サイトです。 公式サイト

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