金を購入したら確定申告は必要?買う時の税金と売る時に備える記録

金を購入した時の確定申告と税金を説明する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、国税庁・財務省・警察庁・消費者庁など公的機関の公開情報、e-Govの法令、田中貴金属工業の公表価格、各買取店・地金商の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。税金の個別の判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。金価格・買取価格は記事執筆日時点の参考値で、日々変わります。

金のインゴットを買おうと思った時、『買っただけで税務署に申告しないといけないの?』と気になりますよね。

金を売りたい人

金地金を少しずつ購入してみたいんです。買った年に確定申告が必要になったりしますか?

案内役

金を買っただけでは、税金の申告が必要になる「所得」は生まれないんです。気にしておきたいのは、売る時に備えて購入の記録を残すことのほうですよ。

結論から言うと、金を購入したこと自体を理由にした確定申告はありません。買う時は、店の消費税込みの価格を払って終わりです。

この記事では、金を買う時にかかる税金と、将来売る時に困らないための記録の残し方が分かります。

目次

金を購入しただけなら確定申告はいりません

先に結論

確定申告は、1年間に生じた「所得」とその税金を計算する手続です。金を買うのはお金を払う側なので、購入だけで所得は生まれません。

この記事は、2026年10月時点の国税庁の公開情報をもとにまとめています。

国税庁のタックスアンサー No.2020 は、確定申告を次のように説明しています。

所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算して確定させる手続です。

出典:国税庁 タックスアンサー No.2020

金を買った年は、手元の現金が金に変わっただけです。もうけ(所得)が出ていないので、購入を申告する欄があるわけではないんです。

場面所得が生まれるか確定申告との関係
金地金・金貨を購入した生まれない購入だけで申告することはない
買った金を持ち続けている生まれない値上がりしていても売るまでは申告しない
買った金を売却して利益が出た生まれる(原則は譲渡所得)利益の額によって申告が必要になる

『値上がりしたら、持っているだけで税金がかかるのでは』と心配する方もいます。ただ、税金を考えるのは売却した時です。

金の購入時と売却時で税金の考え方が変わる流れの図解

買う時に払う税金は、価格に含まれた消費税です

買う時は税込価格を払うだけ

田中貴金属は「消費税を含んだ1グラム当たりの「店頭小売価格(税込)」」を公表しています。買う人は、この税込の価格と手数料を払えば手続きは終わりです。

金地金を購入する時の税金は、店の価格に含まれている消費税です。買った人が自分で消費税を申告して納めるわけではありません。

例えば、2026年10月20日 17:00 に田中貴金属が公表した金の価格は次の通りでした。記事執筆日時点の参考値です。

項目1gあたり(税込)
店頭小売価格(買う時の価格)23,322円
店頭買取価格(売る時の価格)22,773円

田中貴金属では、500g未満の地金を買う時に、地金1本ごとの手数料もかかります。

金地金の種類地金1本あたりの手数料(税込)
500g・1kg不要
100g・200g・300g16,500円
50g13,200円
5g・10g・20g8,800円

手数料は変更になる場合があると田中貴金属も書いています。実際に買う時は、当日の公式の価格と手数料を確認してみてください。

100gを買ってすぐ売った場合の差

例えば、上の価格で100gの金地金を買うと、23,322円×100g+手数料16,500円で2,348,700円です。

同じ日に売ると、22,773円×100g−手数料16,500円で、計算上の代金は2,260,800円になります。

買う価格と売る価格には差があるので、買ってすぐ売ると手元のお金は減ります。この場合は利益が出ていないので、売却益の税金の話にもなりません。

消費税の扱いをもっと知りたい方へ

売る時の買取価格にも消費税相当分が含まれています。個人が売る時の扱いは金を売る時に消費税はかかる?にまとめています。

購入時に支払調書は出ません

支払調書は「売った時」の書類

支払調書は、金地金などを買い取った業者が、1回200万円を超える対価を支払った時に税務署へ出す書類です。お客さんが金を買う側の取引は対象ではありません。

所得税法第224条の6は、金地金や金貨を「譲渡をした者」が対価を受け取る場面について書いています。国税庁の手続の案内でも、提出する人は「金地金等の譲渡の対価の支払をする金地金等の売買を業として行う者」です。

つまり、店がお客さんにお金を払う時、つまりお客さんが金を売った時の書類なんです。

取引お金を払う人支払調書
店で金地金を購入するお客さん出る仕組みではない
店に金地金を売る(1回200万円以下)店出ない
店に金地金を売る(1回200万円超)店店が税務署に出す

支払調書のくわしい仕組みは、金の支払調書とはで見られます。

支払調書は税金の線ではありません

支払調書が出ないことと、税金がかからないことは別の話です。売った時の税金は、取引の金額ではなく、利益(譲渡所得)で決まります。

買う時にも本人確認はあります

支払調書は出なくても、買う時に本人確認書類を求められることはあります。

犯罪収益移転防止法では、代金が200万円を超える貴金属等の売買契約を現金で払う時に、取引時確認が必要になります。田中貴金属は「すべてのお取引において本人確認ならびに取引時確認を実施」としています。

店頭で「本人確認書類は何が使えますか」と聞いておくと、当日あわてずに済みますよ。

金の購入でよくある相談

よくある相談の答え方

Yahoo!知恵袋には、金を買う時と売る時の税金について、似た相談がいくつも寄せられています。3つを要約して答えます。

相談1:金を買ったら税務署に知られる?

「大手の地金商で金やプラチナを買うと、免許証などを書かされる。その情報が税務署に送られるのでは」という相談です。

買う時の本人確認は、犯罪収益移転防止法などに沿った確認です。購入の取引を支払調書として税務署に出す、という仕組みは法律の条文にはありません。

そもそも、金を買っただけでは申告する所得がありません。気にしなくていい、と言える場面です。

金を売りたい人

じゃあ、売る時は税務署に伝わるんですか?

案内役

1回の対価が200万円を超える売却だと、店が支払調書を出します。ただ、伝わるかどうかではなく、利益が出たら申告が要るかを計算して判断してみてくださいね。

相談2:10万円で買ったインゴットが60万円以上で売れたら申告?

「10万円で買ったインゴットを売る時、確定申告が必要になるのは60万円以上で売れた時だけか」という相談です。

10万円で買った物を60万円で売ると、譲渡益は50万円です。特別控除50万円を引くと所得は0円なので、この金の分の税金は出ません。

ただ、60万円を超えたらすぐ申告が必要、とも言い切れません。会社員なら、給与以外の所得が20万円を超えるかどうかで決まります(国税庁 No.1900)。

売った金額(取得費10万円・5年以内・譲渡費用0円)譲渡益特別控除後の所得会社員の20万円の線
60万円50万円0円超えない
80万円70万円20万円超えない(ちょうど20万円)
100万円90万円40万円超える

この表は、その年にほかの総合課税の譲渡益が無い前提です。所得税の申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。

相談3:買った金額が分からなくなった

「金を売ると税金がかかると思うが、買った金額が分からない」という相談も多いです。

購入の記録が無い時は、売った金額の5%を取得費として計算することが認められています(所得税基本通達38-16)。

ただ、5%だと利益が大きく出やすくなります。だからこそ、これから買う人は購入の記録を残しておく価値があるんです。

購入の記録は、売る時の「取得費」の証拠になります

買った時の書類が税金を左右します

売った時の利益は「売った金額−(取得費+譲渡費用)」で計算します。取得費は一般に購入代金のことで、購入手数料なども含まれます(国税庁 No.3152)。

金地金で購入手数料を取得費に入れることを名指しした国税庁の説明は、この記事では確認できていません。ただ、No.3152 の書き方からは、購入代金と購入手数料が取得費に入る読み方になります。

『何年も先のことだし』と思うかもしれません。でも、買った時の書類があるかどうかで、売る時の税金はかなり変わります。

書類があるかないかでの違い

例えば、取得費100万円の金を300万円で売り、5年を超えて持っていた場合で比べてみます。譲渡費用は0円、その年にほかの総合課税の譲渡益は無い前提です。

項目購入時の書類がある書類がなく5%を使う
取得費100万円15万円
譲渡益200万円285万円
特別控除50万円を引いた後150万円235万円
課税される譲渡所得(2分の1)75万円117.5万円

この前提で計算した目安です。実際の税額は、ほかの所得や控除で変わります。

購入時の書類の有無で課税される譲渡所得が変わる比較の図解

取得費の考え方は金の取得費とはでくわしく確認できます。

店によっては購入時の書類が無いと売れません

購入時の書類は、税金のためだけのものでもありません。

三菱マテリアルは「国内で金地金・金貨を購入された場合、購入時の証憑が無いものは売却をお断りしています。」と公式に書いています。店によって扱いが違うので、書類は残しておくに越したことはありません。

金を購入したら残しておきたい記録

保管するのは「いつ・いくらで・何を」

売る時に必要になるのは、買った日、払った金額(手数料を含む)、買った物の重さや種類です。購入した時点でまとめて保管しておきましょう。

購入時に残しておくもの
  • 購入時の計算書・領収書(購入日・金額・手数料が分かるもの)
  • 買った地金のブランド・重量・品位が分かる控え
  • 地金が入っていたケースや袋
  • 振込で払った時は、振込の記録
  • 純金積立など継続して買った物は、取引の明細

田中貴金属は、売却時の計算書について「御計算書は再発行できませんので、大切に保管してください」と案内しています。購入の書類も、同じように再発行できない前提で保管しておくと安心です。

もし手元の書類が見当たらない時の探し方は、金の購入時の領収書がない時にまとめています。

売る時までの流れ
  1. 購入時の書類を、地金と一緒の場所かファイルにまとめる
  2. 売る前に、手元の金がいくらになるか査定で確認する
  3. 売った時は買取明細を受け取り、購入時の書類と並べて保管する
  4. 取得費と売った金額から利益を計算し、申告が要るか確認する

売る前に今の価値を知っておくと、利益がどれくらい出そうか見当がつきます。査定で金額を確かめ、買取明細を受け取るところから始めてみてください。

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売る前に、金の査定額を確かめる

税金の計算は、いくらで売れるかが分からないと始まりません。インゴット・金貨・アクセサリーは1点から無料で査定を受けられます。金額を聞いてから、売るかどうか・いつ売るかを決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取価格は日々変わります。最新の価格・条件・必要書類は公式サイトで確認してください。

5年を超えて持っていたかどうかでも税金は変わります。買った日の記録が大事な理由は、長期譲渡所得と短期の違いで確認できます。

金を売った時の税金の全体像は、金を売った時の税金ガイドにまとめています。

よくある質問

金を購入しただけで確定申告は必要ですか?

必要ありません。確定申告は1年間の所得を計算する手続で、金を買っただけでは所得は生まれないためです。

金地金を購入する時にかかる税金は何ですか?

店の価格に含まれている消費税です。田中貴金属は消費税を含んだ店頭小売価格(税込)を公表しており、買う人が自分で消費税を申告することはありません。

金を購入した時に支払調書は出ますか?

出ません。支払調書は、業者が金地金等の売却の対価として1回200万円を超える金額を支払う時に、税務署へ出す書類です。

購入と売却で税金の考え方はどう違いますか?

購入時は税込価格を払うだけで、税金を考えるのは売却して利益が出た時です。売却益は原則として譲渡所得になり、取得費や特別控除50万円を引いて計算します。

まとめ

この記事の要点
  • 金を購入しただけでは所得は生まれず、確定申告はいらない
  • 買う時の税金は、店の価格に含まれた消費税
  • 支払調書は売却の対価を支払う業者が出す書類で、購入時には出ない
  • 購入時の書類は、売る時の取得費の証拠になる
  • 書類が無いと5%の取得費になり、利益が大きく出やすい
  • 迷った時は、所轄の税務署か税理士に確認する
金売却の税金.jp

金売却の税金.jp 編集部

金や貴金属を売った時の税金(譲渡所得の計算・確定申告・支払調書・相続やもらった金の扱い)を、国税庁の公開情報をもとに整理し、税金のことで迷わず売却まで進めるための情報サイトです。 公式サイト

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