当サイトの記事は、国税庁・財務省・警察庁・消費者庁など公的機関の公開情報、e-Govの法令、田中貴金属工業の公表価格、各買取店・地金商の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。税金の個別の判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。金価格・買取価格は記事執筆日時点の参考値で、日々変わります。
金の価格が気になって『今のうちに売ろうかな』と考え始めた方も多いはずです。ただ、勢いで売ってしまうと、後から税金の計算で困ることがあるんです。
家にある金を売ろうと思っています。売る前に、税金のことで確認しておくことはありますか?
あります。税金は「売った金額」から「買った時の値段」などを引いて計算するので、売る前に書類と買った時期を確かめておくのが大事なんですよ。
結論から言うと、金を売る前に確認したいのは「誰の物か」「何を売るか」「いつ、いくらで手に入れたか」の3つです。この記事では、税金で損しないための確認リストと、売る前にやっておきたい準備が分かります。
金を売る前に確認したい7つのこと
金地金を売った所得は、原則として譲渡所得です(国税庁 No.3161)。計算は「売った金額 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除50万円」で、5年を超えて持っていた物は2分の1にします。この式に入る数字を、売る前にそろえておきましょう。
この記事は、2026年10月時点の国税庁の公開情報をもとにまとめています。
- 誰の物か(自分で買った・もらった・相続した)
- 何を売るか(インゴット・金貨・アクセサリー)
- 重さと刻印(K24・999.9など)
- 購入時の書類(計算書・領収書・保証書)が残っているか
- いつ手に入れたか(5年を超えているか)
- 今年ほかに売った金や貴金属があるか
- 相続した物なら、相続税の申告をしたか
ひとつずつ、税金とどうつながるかを見ていきます。全体の仕組みは金を売った時の税金ガイドでまとめています。
誰の物か
もらった金や相続した金は、前の持ち主が買った時の値段と時期を引き継ぎます(所得税法第60条第1項)。親が20年前に買った金なら、相続した人が今売っても長期として計算する考え方です。
相続した金の考え方は、相続した金を売った時の税金でくわしく見られます。
何を売るか
| 売る物 | 税金の考え方 |
|---|---|
| インゴット・金貨 | 原則として譲渡所得(No.3161) |
| アクセサリー(1個30万円以下) | 生活用動産の非課税に当たるかを確認(No.3105) |
| アクセサリー(1個30万円超) | 非課税から外れ、譲渡所得として計算 |
| 金投資口座・金貯蓄口座 | 20.315%の源泉分離課税(No.3161) |
インゴットには、生活用動産の30万円の線は当てはめません。国税庁は No.3105 で、譲渡所得の対象になる資産として「金地金」を名指ししています。
購入時の書類と買った時期で、税金が大きく変わります
取得費が分からない時は、売った金額の5%を取得費にできます(所得税基本通達38-16)。ただ、実際に買った値段のほうが高ければ、書類があるほうが課税される金額は小さくなります。
田中貴金属の店頭買取価格(2026年10月20日 17:00公表・22,773円/g)で、100gのインゴットを売った場合を計算してみます。記事執筆日時点の参考値です。
| 項目 | 取得費100万円(仮)・5年超 | 取得費が分からず5%・5年超 |
|---|---|---|
| 売った金額 | 2,277,300円 | 2,277,300円 |
| 取得費 | 1,000,000円 | 113,865円 |
| 譲渡益 | 1,277,300円 | 2,163,435円 |
| 特別控除後 | 777,300円 | 1,663,435円 |
| 課税される譲渡所得 | 388,650円 | 831,717円 |
譲渡費用は0円、その年にほかの総合課税の譲渡益は無い前提です。実際の税額は、ほかの所得や控除で変わります。
書類があるかどうかで、課税される金額が倍以上変わるんです。三菱マテリアルのように「購入時の証憑が無いものは売却をお断りしています」とする店もあります。
金地金を自分で切断すると、売れなくなる店があります。日本マテリアルは「1kgをご自身で切断してしまった場合、売却ができなくなります。」と書いています。売る前は、そのままの状態で保管しておきましょう。
書類が見つからない時の探し方は、金の購入時の領収書がない時でまとめています。

今年ほかに売った物と、自分の立場を確かめます
特別控除50万円は、その年の総合課税の譲渡益の合計に対して引きます(No.3161)。同じ年に何度か売ると、譲渡益を合計してから50万円を引きます。
『少しずつ売れば毎回50万円引ける』と思っている方もいるかもしれません。実は、50万円はその年全体で1回です。
申告が要るかは、立場によっても線が違います。
| 立場 | 確認したい線(令和8年分) |
|---|---|
| 会社員(給与1か所・年末調整済み) | 給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の申告は不要(No.1900) |
| 年金を受け取っている人 | 年金収入400万円以下・年金以外の所得20万円以下なら不要(No.1600) |
| 配偶者の扶養に入っている人 | 合計所得金額62万円を超えると配偶者控除の対象外(No.1191) |
所得税の申告が不要でも、住民税の申告が要る場合があります。金の売却益は、国民健康保険料の所得割の計算にも入ります(新宿区・江戸川区の説明)。
相続した金は、相続税の申告の有無も確認します
相続税を払った人が、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに相続した財産を売ると、相続税の一部を取得費に足せる特例があります(国税庁 No.3267)。
この特例は、確定申告で書類を添えて使います。期限を過ぎてから売ると使えないので、相続した金を売る時は、売る前に期限を確かめておきましょう。
相続税がかからなかった場合も、この特例は使えますか?
No.3267 の要件に「その財産を取得した人に相続税が課税されていること」とあるので、相続税がかかっていない人は当てはまらない読み方になります。金地金での使い方は、税務署か税理士に確認してみてください。
査定は売る前に受けておきます
査定を受けると、売った金額の見込みが分かります。見込みが分かれば、譲渡益や申告が要るかを売る前に計算できますよ。
おたからやは査定料・鑑定料を、買取大吉は査定料・キャンセル料を無料と書いています。査定額を聞いて、計算してから売るかどうか決めてもかまいません。
- 確認リストの7つを調べ、書類を集める
- 査定を受けて、売った金額の見込みを知る
- 見込みの金額で、譲渡益と申告の要否を計算する
- 売ると決めたら、本人確認書類を持って売る
- 明細を受け取り、翌年の確定申告まで保管する
まずは手元の金がいくらになるかを、査定で確かめるところから始めてみてください。明細を受け取れる店で売っておくと、確定申告の準備が楽になります。
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売る前に、金の査定額を確かめる
税金の計算は、いくらで売れるかが分からないと始まりません。インゴット・金貨・アクセサリーは1点から無料で査定を受けられます。金額を聞いてから、売るかどうか・いつ売るかを決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取価格は日々変わります。最新の価格・条件・必要書類は公式サイトで確認してください。
売る流れのくわしい内容は金の売却の流れ、売り先の考え方は金はどこで売る?で確認できます。

売る前の確認でよくある相談
Yahoo!知恵袋に寄せられた、金を売る前の準備と税金の相談を3つ要約して答えます。
相談1:25年前に買った金、購入時の書類を失くした
「25年前に買った金を売りたいが、引っ越しの途中で購入時の書類を失くした」という相談です。
25年前に買った物なら、5年を超えているので長期として2分の1にします。取得費が分からない時は、売った金額の5%を取得費にできます。
買った店に記録が残っていないか、通帳に購入代金の出金が残っていないかも探してみてください。どの記録が使えるかは、所轄の税務署に確認しましょう。
相談2:10年前に祖父からもらった金500gを売りたい
「10年ほど前に祖父から金500gをもらった。売ったら税金はどうなるか」という相談です。
もらった物は、祖父が買った時の値段と時期を引き継ぎます。祖父が買った時期が分かれば長期か短期かを、値段が分かれば取得費を確かめられます。
もらった時に贈与税の申告が要ったかは、別の話として確認が要ります。贈与税は年110万円の基礎控除があります(No.4402)。
相談3:4年前に買った金貨を1〜2枚売りたい
「4年くらい前に買った金貨を1〜2枚売りたい。確定申告は要るか」という相談です。
4年前に買った物は、今売ると5年以内の短期になります。譲渡益が50万円以下なら特別控除の範囲に収まり、会社員なら特別控除後の所得が20万円以下かも確かめましょう。
よくある質問
金を売る前に、いちばん確認したいことは何ですか?
購入時の書類と、手に入れた時期です。取得費と、5年を超えているかが分かると、税金の計算ができます。
購入時の書類が無いと、金は売れませんか?
店によって違います。三菱マテリアルは購入時の証憑が無いものの売却を断るとしていますが、書類が無くても査定する店もあります。
相続した金は、いつ売るのがいいですか?
相続税を払った人は、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ると、取得費加算の特例を使える場合があります。相場の予想ではなく、期限で考えてみてください。
査定だけ受けて売らなくてもいいですか?
査定料やキャンセル料を無料と書いている店があります。査定額を聞いてから、税金の計算をして決めてもかまいません。
まとめ
- 金を売る前に、誰の物か・何を売るか・いつ手に入れたかを確認する
- 購入時の書類があるかで、課税される金額が大きく変わる
- 特別控除50万円は、その年の譲渡益の合計に対して1回
- 相続した金は、取得費加算の特例の期限も確かめる
- 査定で売った金額の見込みを知ってから、売るかを決める
- 個別の判断は、所轄の税務署か税理士に確認する







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