当サイトの記事は、国税庁・財務省・警察庁・消費者庁など公的機関の公開情報、e-Govの法令、田中貴金属工業の公表価格、各買取店・地金商の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。税金の個別の判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。金価格・買取価格は記事執筆日時点の参考値で、日々変わります。
金を売りに行く前に、『身分証を出したら、税務署に連絡されるのでは』と気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、金の買取で本人確認があるのは、古物営業法などで店に確認の決まりがあるからです。身分証を見せたこと自体で税金が決まるわけではないんです。
この記事を読めば、本人確認が要る理由と金額の線、当日に持って行く物が分かります。法律の部分は、2026年10月時点の国税庁やe-Gov法令などの公開情報をもとにまとめています。
少しだけ金のネックレスを売りたいんです。それでも免許証とか出さないといけないんでしょうか?
はい、金の買取では金額が小さくても本人確認があるのが基本です。いくつかの法律で、店が売る人を確かめる決まりになっているんですよ。
金の買取で本人確認が要るのは3つの決まりがあるから
金の買取の本人確認は、主に古物営業法・犯罪収益移転防止法・所得税法(支払調書)の3つから来ています。それぞれ、確認する内容と金額の線が違います。
1つの法律だけで決まっているわけではないので、少し分かりにくいですよね。先に全体を表にしておきます。
| 決まり | いつ確認するか | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 古物営業法 | 対価の総額が1万円以上の買取(一部の物は1万円未満でも) | 住所・氏名・職業・年齢 |
| 犯罪収益移転防止法 | 代金200万円を超える貴金属等の売買を現金で払う時 | 本人特定事項・取引の目的・職業 |
| 所得税法(支払調書) | 金地金・金貨などを1回200万円を超えて売る時 | 氏名・住所・個人番号(マイナンバー) |
このほか、店が金や白金の地金を買い取る時には、消費税のルールで本人確認書類の写しを保存することも求められています(国税庁 No.6499)。

古物営業法の本人確認。1万円未満でも金は対象になりやすい
古物営業法15条では、古物商が買い取る時に「相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認すること」と決められています。
ただし、対価の総額が1万円未満の取引は、確認が原則免除されます(古物営業法施行規則16条)。警視庁も「買い受ける物品の総額が1万円未満の場合、相手方の確認義務及び帳簿等への記載等義務(中略)が原則免除」と説明しています。
1万円未満でも確認が要る物として、施行規則にはバイクやゲームソフト、書籍などが挙げられています。この中に貴金属や金地金は入っていません。
田中貴金属が2026年10月20日17時に公表した金の店頭買取価格は22,773円/g(税込)です(記事執筆日時点の参考値)。1gでも1万円を超える計算なので、純金なら少量でも本人確認の対象になると考えておきましょう。
買取大吉の公式のインゴット買取ページにも、古物営業法による本人確認の案内が載っています。

この画面では、古物営業法により「住所」「氏名」「生年月日」が確認できる証明書の提示が義務付けられている、と案内しています。来店する時は本人確認書類を用意してほしい、という内容です。
200万円を超える時の確認。犯罪収益移転防止法と支払調書
高額なインゴットを売る時は、確認がもっと厳しくなるんですか?
200万円を超えると、確認が増えることがあります。現金払いなら犯罪収益移転防止法の取引時確認、金地金・金貨なら支払調書のためのマイナンバーが加わりますよ。
犯罪収益移転防止法では、金・白金・銀などの貴金属等の売買を業として行う者が対象です。施行令では「その代金の額が二百万円を超える貴金属等(中略)の売買契約の締結」が対象の取引とされています。
そのうち、代金を現金以外で払うものは、施行規則で「簡素な顧客管理を行うことが許容される取引」とされています。つまり、取引時確認が要るのは、代金200万円超を現金で払う売買なんです。
岐阜県警察は、この時の確認を次のように説明しています。
代金の支払いが現金で200万円を超える売買契約の締結をした場合は、本人特定事項の確認(運転免許証、登記事項証明書等)、取引を行う目的の確認(申告)、当該顧客が自然人の場合には「職業」の確認(申告)
出典:岐阜県警察「宝石・貴金属を取引する古物商・質屋営業者の皆様へ」
金地金や金貨を1回200万円を超えて売る時は、所得税法でマイナンバーを伝えることも決まっています。くわしくは金を売る時にマイナンバーが必要な理由で紹介しています。
法律の線より広く確認する店も多い
店によっては、法律の線より広く本人確認をしています。田中貴金属は「すべてのお取引において本人確認ならびに取引時確認を実施し、確認した本人確認書類は控えとしてコピーを取得しています。」と書いています。
三菱マテリアルも「2011年4月1日より、金額にかかわらず全てのお取引について」本人確認書類の提出を求めていると案内しています。『少額だから要らないはず』と思わず、毎回持って行くのが安心です。
使える本人確認書類と、よくある注意点
使える書類は店ごとに少しずつ違います。各社の公式案内で書かれている例を並べてみます。
| 会社 | 公式に挙げている本人確認書類の例 |
|---|---|
| 田中貴金属 | マイナンバーカード・運転免許証・運転経歴証明書のいずれか1点(日本国籍の方) |
| おたからや | 運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど、現住所記載の書類のうち1点 |
| 買取大吉 | 運転免許証・在留カード・パスポート・マイナンバーカード |
- 書類の有効期限が切れていないか(おたからやは期限切れを扱わないと案内)
- 書類の住所が今の住所と同じか
- 2020年2月4日以降に発行されたパスポートは住所欄がないので、住所が分かる物を追加する
- 地金の取引では在留カードが使えない場合がある(おたからや・コメ兵の案内)
- 18歳未満は買取しないと案内している店がある(おたからや・買取大吉)

おたからやは、200万円を超える取引では顔写真付きの本人確認書類が必要と案内しています。顔写真がない書類の時は、公共料金の明細などを1点追加で求めています。
代理で売る時や、相続した金を売る時は、委任状や相続の書類が要ることもあります。売る店に事前に問い合わせておきましょう。売る時の全体の流れは金の売却の流れで紹介しています。
よくある相談:身分証と税務署、コピーの保管
Yahoo!知恵袋には、本人確認と税金の関係を心配する相談が寄せられています。よくある3つの疑問に答えていきますね。
身分証を出したら税務署に連絡される?
『金やプラチナを買ったり売ったりする時に免許証などを出すと、店がそれを税務署に送るのでは』という相談がありました。
法律で、買取店が税務署に出す書類として決まっているのは、200万円を超える金地金等の支払調書です(所得税法225条)。本人確認の記録は、古物営業法や犯罪収益移転防止法で店が作って保存するものです。
岐阜県警察の説明では、犯罪収益移転防止法の本人確認記録・取引記録の保存期間は7年間です。どちらにしても、税金がかかるかどうかは、売ったもうけで決まります。
18金のネックレスでも身分証は必要?
『18金のアクセサリーのネックレスを売るのに、免許証やマイナンバーなどの身分証は必要か』という質問もありました。
18金のネックレスも金なので、1万円以上の買取なら古物営業法の本人確認の対象です。免許証など、店が案内する書類を1点持って行きましょう。
一方、ジュエリーは支払調書の対象外と田中貴金属は説明しています。マイナンバーを支払調書のために伝える場面は、基本的にありません。
身分証のコピーや明細は、自分でも保管すべき?
『金を売った時の損益の計算や申告の方法、身分証明書の保管はどうすればいいか』という相談もありました。
身分証のコピーは店が保存するもので、売る人が保管する決まりはありません。自分で残しておきたいのは、買取明細と購入時の書類です。
田中貴金属は「御計算書は再発行できませんので、大切に保管してください。」と書いています。確定申告で売却額や取得費を確かめる時に使うので、なくさないようにしておきましょう。
本人確認の準備をしてから査定へ
- 売る店の公式の案内で、使える本人確認書類を確かめる
- 有効期限と住所を確認した書類を1点用意する
- 200万円を超えそうなら、マイナンバー確認書類と口座の分かる物も用意する
- 購入時の書類があれば一緒に持って行く
- 売った後は買取明細を受け取り、保管する
本人確認の準備ができたら、まずは査定額を確かめてみるのがおすすめです。査定額が分かると、200万円を超えるか、税金の計算が要るかを先に判断できます。
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売る前に、金の査定額を確かめる
税金の計算は、いくらで売れるかが分からないと始まりません。インゴット・金貨・アクセサリーは1点から無料で査定を受けられます。金額を聞いてから、売るかどうか・いつ売るかを決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取価格は日々変わります。最新の価格・条件・必要書類は公式サイトで確認してください。
買取価格に消費税相当分が入っていることや、店の本人確認書類の保存の話は金を売る時に消費税はかかる?で、支払調書の仕組みは金の支払調書とはで紹介しています。金を売った時の税金の全体像は金を売った時の税金ガイドでまとめています。
よくある質問
金の買取で本人確認が要らない場合はありますか?
古物営業法では、対価の総額が1万円未満なら確認が原則免除です。ただ、金は1gでも1万円を超える価格なので、多くの場合は対象になります。全取引で確認する店もあります。
本人確認書類は何を持って行けばいいですか?
運転免許証やマイナンバーカードなど、店が案内する書類を1点です。使える書類は店ごとに違うので、売る店の公式の案内を確かめてください。
本人確認をすると税金がかかりますか?
本人確認と税金は別です。税金は、売った金額から取得費などを引いたもうけで計算します。申告が必要か迷う時は、所轄の税務署に確認してください。
200万円を超えると何が増えますか?
金地金・金貨ならマイナンバーの告知が加わります。現金で払う時は、犯罪収益移転防止法の取引の目的や職業の確認もあります。
まとめ
- 金の買取の本人確認は、古物営業法・犯罪収益移転防止法・所得税法などから来ている
- 古物営業法は1万円未満なら原則免除だが、金は少量でも1万円を超えやすい
- 200万円超の現金払いは取引時確認、金地金・金貨はマイナンバーも加わる
- 使える書類は店ごとに違うので、公式の案内で確かめる
- 自分で保管したいのは、身分証のコピーではなく買取明細と購入時の書類







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