金の売却益の税金は総合課税|給与と合算して税率が決まる仕組み

金の売却益の税金が総合課税になる仕組みを説明する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、国税庁・財務省・警察庁・消費者庁など公的機関の公開情報、e-Govの法令、田中貴金属工業の公表価格、各買取店・地金商の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。税金の個別の判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。金価格・買取価格は記事執筆日時点の参考値で、日々変わります。

金の売却の税金を調べると、「総合課税」という言葉がよく出てきますよね。株の税金と同じようなものだと思っている方も多いはずです。

金を売りたい人

金の売却益は総合課税だと聞きました。株みたいに決まった税率で終わるわけじゃないんですか?

案内役

そこが金の大事なポイントなんです。金の売却益は、給与など他の所得と合計してから税率が決まりますよ。

結論から言うと、金の売却の税金は総合課税なので、その年の所得全体で税率の段階が決まります。だから同じ金額のもうけでも、人によって税額が違うんです。

この記事では、総合課税の仕組みと、課税所得ごとに税額がどう変わるかを表で見ていきます。

目次

金の売却益は「総合課税」で計算します

先に結論

金地金を売った所得は、原則として譲渡所得で、給与所得など他の所得と合わせる総合課税の対象です(国税庁 No.3161)。

この記事は、2026年10月時点の国税庁の公開情報をもとにまとめています。

金地金を売ったときの所得は、原則、譲渡所得として、給与所得など他の所得と合わせて総合課税の対象となります。

出典:国税庁 タックスアンサー No.3161

総合課税とは、ざっくり言うと「いろいろな所得を合計してから、まとめて税率を掛ける」方法です。

金の譲渡所得も、給与所得などと一つの山にまとめてから所得税を計算します。

項目金の譲渡所得(総合課税)
計算のしかた給与所得など他の所得と合計する
税率合計した課税される所得金額に5%から45%(速算表・No.2260)
特別控除その年の総合課税の譲渡益の合計から50万円
5年超の扱い特別控除の後の金額を2分の1
申告必要な人は確定申告で他の所得と一緒に申告

分離課税とはどう違う?

分離課税は「他の所得と分けて」計算します

国税庁 No.2260 は、所得税の5%から45%の税率について「分離課税に対するものなどを除くと」と書いています。分離課税の所得は、速算表とは別の計算になるということです。

『株は20%なのに、金は違うの?』という疑問はよく聞きます。

金とは別の計算のしかたが決められている所得もあります。例えば国税庁は、土地建物の譲渡所得の計算を「分離課税」として別のページ(No.3202)で説明しています。

株式の税金のしくみや税率は、この記事の根拠にした金の資料には載っていないので、ここでは数字を出しません。株の税金は、証券会社の案内や国税庁の株式のページで確認してみてください。

金でも「金投資口座」は分離課税

実は、金に関係する商品でも分離課税になるものがあるんです。

国税庁 No.3161 では、金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は、金地金の現物の売却とは違い、一律20.315%の源泉分離課税としています。

総合課税(手元の金を売る)
  • インゴットや金貨などの現物を売った利益
  • 給与など他の所得と合計して税率が決まる
  • 特別控除50万円や長期の2分の1がある
源泉分離課税(金投資口座など)
  • 金投資口座・金貯蓄口座などの利益
  • 一律20.315%で、源泉徴収だけで終わる
  • 他の所得と合算して確定申告はできない

同じ「金」でも、現物を売るのか、口座の利益なのかで税金の扱いが変わります。商品ごとにどちらに当たるかを確認してみてください。

給与と合算して税率が決まる仕組み

合計の所得で、税率の段階が決まります

所得税の税率は、課税される所得金額が大きいほど高い段階になります。金の譲渡所得が足されると、合計が大きくなって段階が上がることもあります。

総合課税で所得税を出す流れ
  1. 金の譲渡益から特別控除50万円を引き、5年超なら2分の1にする
  2. 給与所得など他の所得と合計する
  3. 基礎控除などの所得控除を引いて、課税される所得金額を出す
  4. 所得税の速算表で税額を出し、2.1%の復興特別所得税を足す
金の譲渡所得と給与所得を合計して税率が決まる流れの図解

速算表の税率は、課税される所得金額195万円未満が5%、195万円以上330万円未満が10%、330万円以上695万円未満が20%、という段階になっています(No.2260)。

段階の全体と計算のしかたは金売却の税率は何%?で、譲渡所得の計算式は金の譲渡所得とはでくわしく見られます。

同じ売却益でも、人によって税額が違う理由

もとの所得の大きさで変わります

金の譲渡所得が同じでも、もともとの課税される所得金額が大きい人ほど、高い税率の段階で上乗せされます。

例えば、取得費100万円の金を5年超持って300万円で売ったとします。譲渡費用は0円、その年に他の総合課税の譲渡益は無い前提です。課税される譲渡所得は、譲渡益200万円から50万円を引いて2分の1にした75万円です。

この75万円を、もとの課税される所得金額が違う人に足して、増える所得税を速算表で計算しました。所得控除は変わらない前提です。

金以外の課税される所得金額金を売らない時の所得税75万円を足した時の所得税増える所得税
150万円75,000円127,500円52,500円
300万円202,500円322,500円120,000円
600万円772,500円922,500円150,000円
1,000万円1,764,000円2,011,500円247,500円
課税所得別に金の売却益で増える所得税を比べた図解

『同じ金を同じ値段で売ったのに、なんで税額が違うの?』と思いますよね。

同じ75万円でも、増える所得税は52,500円から247,500円まで差が出ました。これが総合課税の特徴なんです。

このほかに、増える所得税の2.1%の復興特別所得税と住民税がかかります。合計の所得が増えると基礎控除の金額が変わることもあるので、実際の税額は他の所得や控除で変わると考えてください。

他に所得がない人なら0円になることも

他に所得がない人が同じ金を売った場合、総所得金額は75万円です。令和8年分の基礎控除は合計所得金額132万円以下なら104万円なので、課税される所得金額は0円、所得税も0円になります。

ただし、扶養に入っている人は、配偶者控除などの条件に関わることがあります。くわしくは金を売ると扶養から外れる?を見てみてください。

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売る前に、金の査定額を確かめる

税金の計算は、いくらで売れるかが分からないと始まりません。インゴット・金貨・アクセサリーは1点から無料で査定を受けられます。金額を聞いてから、売るかどうか・いつ売るかを決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取価格は日々変わります。最新の価格・条件・必要書類は公式サイトで確認してください。

売る前に査定額が分かれば、自分の所得に足して税額の目安を出せます。売った後は、買取明細を売却額の記録として残しておきましょう。

よくある相談:総合課税で迷いやすいところ

相談の多いテーマ

知恵袋などでは、給与と合算される時の税率や、長期で持っていた金の税金についての相談がよく見られます。

相談1:金地金1kgを売ったら、給与と合わせて高い税率になる?

金地金1kgの売却は一時所得ではなく総合課税の譲渡所得だと聞いた、給与と合わせるとどうなるか、という相談です。

その理解のとおり、金地金の売却は原則として譲渡所得で、給与所得と合算して税率が決まります(No.3161)。1kgのように金額が大きいと、合計の所得が上の段階に入ることがあります。

ただ、上の段階の税率がかかるのは、境目を超えた部分です。速算表の控除額は、その調整のための数字なんです。

相談2:安い時に買った金地金は、長期でも税金が多くなる?

安い時に買った金地金を売ると、長期譲渡の総合課税でかなり税金がかかりそう、という相談です。

取得費が低いと譲渡益は大きくなります。ただ5年超なら、特別控除50万円を引いた後の金額が2分の1になってから、他の所得と合算されます。

金を売りたい人

売る年によって、税金は変わってくるんですか?

案内役

所得は1月から12月の1年ごとに計算するので、その年の他の所得しだいで段階は変わります。ただ、金の値段も動くので、税金だけで決めずに売る時期を考えてくださいね。

年をまたいで売る時の考え方は金の売却益は1月から12月で計算で扱っています。

相談3:株は20%なのに、金はなぜ違うの?

株と金で税金のしくみが違うのはなぜか、という相談です。

国税庁は、金地金の現物の売却を総合課税の譲渡所得としています。一方で、同じ金でも金投資口座などの利益は、金融取引に近いとして一律20.315%の源泉分離課税です(No.3161)。

総合課税の金の税金で、確認しておきたいこと

合計の所得が分かると、税額が見えてきます

総合課税では、金の数字だけでなく、その年の他の所得もそろって初めて税額が分かります。

『自分の所得がいくらか、すぐには分からない…』という方は、まず給与の源泉徴収票を手元に用意してみてください。

計算の前に確認すること
  • 給与の源泉徴収票など、他の所得が分かる書類
  • 金の売却額と取得費(購入時の書類)
  • 持っていた期間が5年を超えているか
  • 同じ年に、他にも売った金や資産があるか

会社員の方は、給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要になる条件もあります(国税庁 タックスアンサー「給与所得者で確定申告が必要な人」)。くわしくは会社員が金を売った時の確定申告で、計算の手順は金売却の税金の計算方法で見られます。

税金の全体像は金を売った時の税金ガイドにまとめています。

よくある質問

金の売却益は総合課税ですか、分離課税ですか?

金地金を売った所得は、原則として譲渡所得で、給与など他の所得と合わせる総合課税です(国税庁 No.3161)。

金の譲渡所得の総合課税では、税率は何%ですか?

給与など他の所得と合計した課税される所得金額に、所得税の5%から45%の税率がかかります。さらに所得税額の2.1%の復興特別所得税と住民税がかかります。

純金積立や金投資口座も総合課税ですか?

金投資口座や金貯蓄口座などの利益は、一律20.315%の源泉分離課税です。純金積立がどちらに当たるかは、商品ごとに確認してください。

総合課税だと、給与が多い人ほど税金が高くなりますか?

同じ金の譲渡所得でも、もとの課税される所得金額が大きい人ほど高い段階の税率で上乗せされるので、増える税額は大きくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 金地金の売却益は、原則として譲渡所得の総合課税
  • 総合課税は、給与など他の所得と合計してから税率を当てはめる
  • 金投資口座・金貯蓄口座の利益は、一律20.315%の源泉分離課税で別扱い
  • 同じ売却益でも、もとの所得が大きい人ほど増える税額が大きい
  • 個別の税額で迷ったら、所轄の税務署か税理士に確認する
金売却の税金.jp

金売却の税金.jp 編集部

金や貴金属を売った時の税金(譲渡所得の計算・確定申告・支払調書・相続やもらった金の扱い)を、国税庁の公開情報をもとに整理し、税金のことで迷わず売却まで進めるための情報サイトです。 公式サイト

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